このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
人と人のつながりを大事にする 松下幸之助著(道をひらく)より
1.おたがいに縁(えん)あってこの世に生まれてきた。そして、縁あっていろいろの人とのつながりを持っている。縁あってー何だか古めかしいことばのようだけれど、そこにはまた一つの深い味わいがひそんでいるように思える。人と人とのつながりというものは、とかく人間の個人的な意志でできたと思いやすいもので、だからまたこのつながりは、自分ひとりの考えで、いつでも断てるかのように無造作に考えやすい。
2.だが、ほんとうはそうではない。人と人とのつながりには、実は人間のいわゆる個人的な意志や希望を越えた、一つの深い縁の力が働いているのである。そうとすれば、おたがいにこの世における人と人とのつながりを、もうすこし大事にしたい。もうすこしありがたく考えたい。
(参考:「PHP」:2021年6月号)