このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
社会的に責任ある企業で働きたい(若者の考え) フィリップ・コトラー(現代マーケティングの父・米ノースウェスタン大学経営大学院名誉教授)
1.最近のCEOには新しいポリシーが求められる。まず気候変動や持続可能性に対して何らかのスタンスをとる必要がある。さらに企業が懸命に採用する若者については、仕事と家庭などとのバランスが重要で、仕事一筋ではない。社会的に責任ある企業で働きたいと考えている。経営では今、こうした要素を考えなければならない。
2.国レベルで私が関心があるのは、スウェーデンやデンマークなど北欧5カ国だ。福祉資本主義にのっとり、企業は世界中で成功裏に事業を展開して利益を上げ、労働組合も強い。生活水準も高い。「全ての国民によい生活を」という考え方は、あらゆる国で取り入れるべきだ。
3.日本は、国連が掲げたSDGs(持続可能な開発目標)を率先して行うべきで、リーダーになれると思う。会社としては収益性はもちろん、その社会や国に影響がある社会問題にしっかりと目を向けないといけない。ステークホルダー資本主義を掲げる会社は、株主資本主義の会社よりもよいパフォーマンスを出すと確信している。5年後にもし、今と全く同じようにビジネスしていれば、廃業してしまうだろう。
(参考:「日経ビジネス」2021年10月18日号)