このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
突然現れた危機という感覚の罠(わな) 井上達彦(早稲田大学商学学術院教授)
1.2月下旬以降、世界を震撼させているロシアのウクライナ侵攻。多くの経営者は想定外の出来事として受け止めたようだ。それでは、経営者はどうのように対処すればいいのか。そのヒントは危機の認識の仕方にある。企業経営を左右する外部要因というのは突如として降ってくるわけではなく、その兆候がある。一つひとつの出来事は「点」に見えても、点をプロットして線で結べば注目すべきトレンドが浮かび上がる。
2.経営者は、断続的に現れては消える出来事を兆候として捉え、それらを線で結んで長期のトレンドを描き出すべきだ。具体的には①定点観測を行う、②トレンドを象徴するような出来事に注目する、③イベントとイベントを線で結ぶ、④線と線とが合流しないか注意する、といった作業が必要になる。
(参考:「週刊東洋経済」2022年3月26日号)