このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
転勤廃止の動きの根底にある3点 大久保幸夫(リクルートワークス研究所アドバイザー)
1.そもそも、転勤廃止の動きの根底にあるのは、ダイバーシティ、人権問題、テレワークの3点。女性の管理職登用や育児・介護との両立にとって、転勤制度が明らかに邪魔(じゃま)だということが分かってきたし、家族と離れた生活の強要は人権に配慮する経営と折り合わない。さらにテレワークによる生産性向上によって、転勤で人を動かすこともつじつまが合わない。
2.処方箋としては「誰もが、希望すれば同じところで働き続けられる」というのを原則にするのがいい。人材育成上、ジョブローテーションには意味があるが、地域を越える異動はそれほど関係ないとの研究もある。一方でキャリアのため「転勤をしたい」という人もいる。そういう人たちのために道を残せばいい。
(参考:「日経ビジネス」2022年4月11日号)