このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
会社と社員との間に重なりがあるか 伊藤邦雄(一橋大学CFO教育研究センター長)
1.日本企業で理念のない会社はほとんどありませんが、それが額縁の中に収まっているだけの会社と経営陣と社員間で活発な議論する会社があります。日本企業の多くはメンバーシップ型雇用のため、入社した際に一 度説明を受けたら「あなたはメンバーなので理解していますね」としてそれ以上議論はしません。
2.しかし、本当の意味で理念が浸透している状態というのは、会社の存在意識と社員一人ひとりの存在意義との間に重なりがある状態のことです。経営陣は、手を替え品を替え理念を説きつつ、この重なりを確認するための議論や対話を心がけ、つねに社員に共感してもらうことで、会社全体のエンゲージメント(社員の成長・定着)を高めていく必要があります。
(参考:「週刊東洋経済」2022 年 7 月 23 日号)