このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
チャレンジ精神(現場重視・顧客重視)で大企業病を克服 村田 恒夫(村田製作所会長)
1.私が社長になる前、2000 年ごろのITバブルが崩壊してから、何年かは低成長が続きました。いわゆる「大企業病」でした。企業風土が硬直的で、上が下に向かって「やれ」と言う上意下達の体質になっていた。創業の精神は忘れられて、風通しが悪くなっていたのです。だから、そこから時間をかけて、もう一度創業の頃のチャレンジ精神を取り戻そうと、現場重視、顧客視点の重視という方向に改革を進めてきて、企業体質がずいぶん変わったかなと思います。
2.役員間のコミュニケーションがなかったので、役員合宿は相当やりました。それぞれがこんな会社にしたいという絵を描いて、ようやく役員間のコンセンサスが得られるようになる。04 年に改革委員会を立ち上げ解散したのは 15 年ごろ。風土改革には、10 年余りも要しました。
3.上意下達だけではうまくいきません。また、自律した組織といっても、方向が同じでないとまずい。村田には創業者が苦労した時期に作った社是(経営理念)「社会や文化の発展に貢献する」があるので、それを浸透させて一人一人が行動指針にしてもらう活動は今も続けています。
(参考:「週刊ダイヤモンド」2022 年 10 月 22 日号)