このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
創設60 周年で世界も注目(高専生)
1.世界が欲しがる「KOSEN」。かたや国内では「どこの専門?」と聞き返される「高専」。この奇妙な
ねじれに、日本を覆う学歴社会の分厚い暗雲とそこに差し込む光を同時に見る。15 歳から5 年間の早期専門教育を受けた多くの卒業生が、技術者として科学技術立国・日本の発展を支える一翼を担ってきた。昨今はさまざまな社会課題に技術で挑む高専生の活躍はまさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
2.弱冠20 歳で即戦力となり、同学年の大学院卒が入社する4 年後には新入社員を指導するほどの力量と
なっている。しかし、給与は大抵、院卒の初任給が上回る。また、有名企業からの求人も事業所単位の採用で、本社採用ではないことが多い。給与や昇進、勤務地などの処遇等に不満を抱く高専卒業生も少なくない。日本が科学技術立国で復活するためには、高専人材の価値を再考すべきである。
(参考:「Wedge」2022 年12 月号)