耳より情報2023年4月 No.381

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

現場・現実・現物(松下幸之助の例) 楠木建(一橋ビジネススクール教授)

1.禅語には人と人の世の本質が凝縮されている。例えば他是非吾(ほかはこれわれにあらず)。自分でやらなければ本当のことは分からない。大阪万博のときのことだ。「松下館」の前に松下幸之助その人が並んでいる。自分の番が来るまで並んだ幸之助はすぐに2 つの指示を出した。①待ち時間を短くするための誘導方法の見直し、②暑い夏に向けて日よけを作っておく。

2.①はまだしも、②は自分で並んでみないとなかなか思いつかない。結局、夏には入場待ちの人々が暑さをしのげるようにと野点用の大日傘が立てられ、松下館のネームが入った紙の帽子を配ることにしたという。他是非吾は現場主義の本質を突いている。現場・現実・現物は一つひとつ異なる。だから自分でやらないと最善の解決策は出てこない。自分の脚で自分の道を歩んでいくしかない。

(参考:「日経ビジネス」2023 年2 月13 日号)

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