このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
アジアの近隣国にも追い抜かれた日本の年収
1.日本ではにわかに賃上げムード一色になっている。なぜ急に変わったかといえば、コロナ禍からの社会経済の回復や政府からの強力な要請もあるが、何といってもここ30 年間、年収がほとんど上がっていないことに国民が気づいたからだろう。実質賃金を見ると、継続的に上昇している先進国に置いていかれ、途上国として後ろにいると思っていたアジア近隣諸国にも追い抜かれたという厳然たる事実と、それに対する危機感である。
2.周回遅れになっている間も、「賃上げが先か、利益の確保が先か」の議論が延々と繰り返されてきた。しかし今やそんな議論は脇に置き、経営者は賃上げを前提に利益を上げ、会社を存続させることが求められる。それが経営の質の改善につながる。
参考:「週刊東洋経済」2023 年4 月15 日号)