このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
「PBR1 倍割れ」企業に改善策 井出 真吾(ニッセイ基礎研究所主席研究員)
1.東京証券取引所が株価の低い企業に「PBR改善策」実施を要請した。PBR(株価純資産比率)は、株主資本に対する株式時価総額の割合だ。これが1 倍を下回る企業は、「経営として失格」とされる。日本では全上場企業の約半数がPBR1 倍割れ(東証上場約3800 社の49%、2023 年3 月時点)という状態が長く放置されてきた。
2.海外との比較でも、米国は主要500 社のうちPBR1 倍割れ企業は5%程度、欧州は主要600 社のうち24%で、日本の「経営失格企業」の割合はかなり高い。企業側は、収益力を高めたり株主資本を圧縮したりするなどで株価を高める取り組みを待ったなしで求められる。今回の取り組みで日本株市場が活性化すれば、海外投資家による再評価も期待できる。
(参考:「週刊ダイヤモンド」2023 年4 月29 日・5 月6 日号)