このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
セブン&アイ売上高10 兆円突破でも消えない不安
1.「国内小売業として初の売上高10 兆円を突破」「過去最高益達成」。4 月6 日、セブン&アイホールディングスが発表した2023 年2 月期(22 年度)の決算。好調な決算を牽引(けんいん)したのが、海外コンビニ事業だ。米国のコンビニ運営子会社7-Eleven.Inc.(SEI)の業績が、21 年3 月に買収したガソリンスタンド併設型コンビニチェーン・スピードウェイの貢献で急拡大したのだ。
2.好決算の中身は米国頼み、もっといえばガソリン販売価格が高騰した要因が大きかったわけだ。他方、国内に目を向ければ、決して楽観できる状況にない。問題はやはり非コンビニ事業だ。総合スーパーなどを運営するイトーヨー堂の営業利益はわずか4 億円(前期比75%減)。最終損益は152億円の赤字。百貨店を運営するそごう・西武も、130 億円の赤字だ。これら不採算事業は市場からの攻撃対象になっている。
(参考:「週刊東洋経済」2023 年4 月29 日・5 月6 日号)