日本が第3 集団へ転落した原因   鈴木 貴博(百年コンサルティング代表)

1.IMF(国際通貨基金)は、日本のGDP(国内総生産)がドイツに抜かれて世界4位に後退する見込みだと発表しました。もはや世界3位の経済大国でなくなるということですが、問題はそれ以上に深刻です。なにしろドイツの人口は日本の3 分の2 しかない国です。国民1人当たりの豊かさでいえばドイツの1.5 倍の経済格差がついたというのが、このニュースの本質です。 

2.国の経済力を1 人当たりGDP で測ると、日本は今や、世界の第3 集団に順位を落としてしまっています。それで何が深刻かというと、第2 集団と違って、第3 集団の国では輸入物価が上がるタイプのインフレが起きてしまうと、庶民の生活が貧しくなるのです。第1 集団は1 人当たりGDP で8 万ドル(約1200 万円)を超える国々で、米国、シンガポール、カタール等です。第2 集団は1 人当たりGDP が5 万ドル(約750 万円)前後の国で、ドイツ、英国、カナダ等G7 の国々です。 

3.第3 集団は、1 人当たりGDP が一番低い3 万ドル前半(約500 万円前後)の国々です。日本は3.4 万ドル(約510万円)で、韓国が3.3 万ドル、台湾3.2 万ドルです。日本経済の転落要因に「円安が悪い、日本銀行が悪い」と思いがちですが、中央銀行には経済を発展させる機能はありません。ここがアベノミクスの最大の勘違いです。第3 集団への転落原因は金融政策ではなく経済政策にあるのです。

(参考:「週刊ダイヤモンド」2023 年11 月25 日号) 

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