卑いしい文化は卑しい経営管理者をつくり、偉大な文化は偉大な経営者をつくる  佐藤 等(ドラッカー学会共同代表理事)

1.ドラッカーは語る。「組織は人を変える。否応なしに変える。成長させもすれば、いじけさせたりもする。人格を形成させもすれば、破壊したりもする」(『非営利組織の経営』)。しかし組織の不祥事を巡る日々の報道は、良い組織文化ばりでないことを教えています。「優れた文化を実現するために必要とされるものは行動規範である。強みの重視であり、真摯(しんし)さの重視である。正義の観念と行動基準の高さである」。強み、真摯さ、正義、「優れた文化」とは範となる質を問うものだということです。 

2.経営において量を求めることは、避けて通れませんが、卑(いや)しさはないかが問われています、卑しさは組織の文化を劣化させ、人格を傷つけます。「卑しい文化は卑しい経営管理者をつくり、偉大な文化は偉大な経営管理者をつくる」。卑しさも偉大さも人が感じ、実現するものです。「自らをマネジメントするということは、一つの革命である。(中略)あたかも組織のトップであるかのように考え、行動することを要求する」(ドラッカー『明明を支配するもの』)。 

3.「企業とは、その構成要素なる資源の統計に勝る間存在し、少なくとも統計とは異なる存在であって、かつ投入(インプット)されたものより多くのものを算出(アウトプット)することのできる生きた存在である」(ドラッカー『現代の経営』)。組織こそは、生物的なシステムであり、(人の力)やカネに価値を付加し、統計に勝るものを生み出す存在である。

(参考:「致知」2024 年3 月号) 

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