1.コロナ禍で売り上げが減少した個人事業者や中小企業に対して、政府系金融機関や民間金融機関から行われた実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」は、総実行額43 兆円で、約245 万件(2022 年9 月末)。それによって多くの中小企業が救済されたが、その返済開始は23 年7 月~24 年4 月に集中するといわれており、マイナス金利解除、17 年ぶりの利上げはそのタイミングとぶつかる。
2.利払いに窮した中小企業が破綻した場合、従業員が人手不足に苦しむ他の中小企業へ移ることもあった。その意味ではコロナ禍のゼロゼロ融資は、苦境の企業を救う効果があった半面、人手が必要な企業や業種への労働移動が起きずその後の人手不足を助長することになった。救済措置はごく短期ではプラスだが、中長期では弊害の方が大きいとされている。
(参考:「週刊ダイヤモンド」2024 年4 月27 日・5 月4 日号)