1.明治時代の作家・斎藤緑雨(りょくう)という人の言葉に、「拍手喝采は人を愚かにする道なり」とあります。決して自惚れずに、自分を律することはとても大事です。
2.白隠善寺(はくいんぜんじ)の『遠羅天釜(おらてかま』という書物の中に出てくる話です。お釈迦様がある時、一番弟子の迦葉菩薩に質問なされた。「どのような修行をすれば、大涅槃(だいねはん)(悟り)に至ることができるか」と。すると迦葉菩薩は坐禅が大事だとか戒律を守ることが大事だとか、思いつく限り答えるけれども、お釈迦様はすべて許可なさらなかった。そこで迦葉菩薩が「では、一体何が必要ですか」とお尋ねすると、お釈迦様は「ただ無我の一法のみ、涅槃に契うことを得たり」とお答えになった。つまり、私をなくすことだ。
(参考:「致知」2024 年8 月号)