1.『書経』に、「天工人其代之」(天工(てんこう)は人其れ之(こ れ)に代(か わ)る)という言葉があります。風格の溢れ出る凛(り ん)とした名句となっているのは、国家や企業のトップが決して忘れてはならない箴言(しんげん)であるからです。「自分行っているこの仕事は、天の代行者として、天に代わって勤めているのだ」ということを肝に銘じてほしいといっているのです。
2.しかし天は、姿を現すことも、声を発して意を説くことも出来ません。これでは地上に下りて陣頭指揮を執り、采配を振るうこともなりません。さて、どうするか。そこで自分の代わりを立てることにしました。それが「人間」であり、そのリーダーが為政者であり組織の長であります。そもそも「天と人間」にはこのような密接極まりない関係があります。
(参考:「致知」2024 年8 月号)