1.「機能する社会」の実現は、ドラッカーが生涯追い求めた最大のテーマでした。マネジメントは、そのための方法でした。つまり、ドラッカーが求めたものは、「いい社会」の実現であり、「いい会社・組織」はその手段にすぎないということです。それゆえドラッカーは、組織は社会の道具であると位置づけます。日本におけるドラッカーの分身と言われた上田淳生(あ つ お)先生は、彼が取れ組んだ命題は「人間の幸せとは何か」であるといいます。
2.マネジメントは、いい社会、人間の幸せ実現の方法として発明されたものです。私利私欲で組織という道具を使おうとしても機能しないのは、そのためです。「社会というものは、一人ひとりの人間に対して『位置』と『役割』を与え、重要な社会権力『正統性』をもたなければ機能しない」『ドラッカー・産業人の未来』
(参考:「致知」2024 年8 月号)