上司の「何とかしろ」が社員の「うつ病」の原因  米沢 宏(ジャパンEAPシステム取締役・精神科医) 

1. うつ病で休職する人の中で、最も多い原因が「上司との関係」です。心を病む社員が多い会社には共通点があります。売り上げなど成果を強く求めながら、社としての方針を示さず、社員に負荷を与えるのです。例えばライバル企業の新製品にシェアを奪われたら、本来会社として対策を立てるべきですが、それをせず「何とかしろ」と現場社員を追い立てたりします。 

2. 何とかするのは管理職の仕事です。でも、実は部下を追い立てる上司本人も上層部から「とにかく売り上げを伸ばせ」と強いプレッシャーをかけられている、ということが多いのです。玉突き状態です。企業は、まっとうな労務管理・健康管理を整えておく必要があります。 

3.逆に、心を病む社員が少ない会社では、経営トップが、事業を通して何を実現したいか、明快にビジョンを伝えています。上司と部下が話し合って目標を定め、上司が部下に「あなたの考えでやりなさい。責任は自分が取るから」とアドバイスする。そんな信頼関係を築くことができれば、社員は自分の強みを発揮し、自ら成長することができると思います。

(参考:「日経ビジネス」2024 年8 月5 日号) 

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