1.トヨタ自動車や日本航空など名だたる企業で不正や過失が明らかになっている。背景にあるのが現場への負荷の高まりや組織風土の悪さだ。失敗の原因は現場ではなく、日々の経営判断にこそ内在している。労働災害も増加傾向にある。23年、休業4日以上の死傷者数は13万5371人と前年から約300人増え、3年連続の増加となった。
2.企業が直面する失敗の本質的な原因は、不正を働いた当事者や、過失を犯した現場にあるのではない。すべての失敗の芽は、ビジネスモデルや組織体制、企業風土など、経営の根幹に潜んでいる。つまり、トップの日々の経営判断が「失敗を生んでいる」のだ。そして同じ失敗が繰り返されるのは、経営層にその自覚がないからだ。失敗の芽はどんな組織にも内在している。
(参考:「日経ビジネス」2024 年8 月26 日号)