企業や社会のリーダーとなる人材には何が求められるか 東原 敏明(日立製作所会長)

1.社会が変化する中で、リーダーに求められることは大きく4つあると考えます。1つ目は、マクロ環境の変化を敏感に捉えること。例えば、11月には米大統領選がありましたが、こうしたPEST(政治・経済・社会・技術)情報を切り口に、事業を取り巻く環境がどのような展開になるのかを想像します。2つ目は、中長期的な未来に、どのような社会になるかを思い描くこと。経営者は目下の業務に忙殺されてしまいがちですが、数十年後から逆算する考え方が必要です。 

2.3つ目は、それをどのように具現化できるかを考え、実行に落とし込むこと。まず大きな方向を示して、多様な人材を巻き込み、腹落ちしてもらいながらボトムアップへと移していく能力などが求められます。4つ目は、これらを実行する次世代の人材を育てることです。 

3.幹部候補(選抜した人材は世界で累計140人ほどで30歳~40歳代)の育成にあたって、彼らには指名委員会の前で、例えば「自分が日立の社長になったら」というテーマで、企業の将来像を発表してもらっています。社長やCEОになると、覚悟を持って重大な決断をしなければいけない時が来ます。そこで自らのエゴではなく社会のためになるか、と考えられるかが重要です。

(参考:「日経ビジネス」2024 年9 月23 日号) 

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