改めて徳とは何かを考える   田口 佳史(東洋思想研究家) 

1.『論語』に「徳不孤、必有隣」(徳は弧ならず、必ず隣あり)があります。徳の有る者は、孤独を感じるようなことはない。必ず慕って寄ってくる人がいるものだというのです。徳というものの本質を明快に言い表しています。しかし、「徳とは何か」と問われ、次の言葉に行き着きました。「自己の最善を他者に尽くしきること」。 

2.松下幸之助氏にお会いし、「経営者の条件は」という私の問いに「運が強いこと」と即答されました。更に「運を強くするには」という私の問いに「徳を積むことだ」と答えられたのです。松下氏の挙げられた「運の強さ」とは何かといえば、「天からの恵み」ともいえます。「徳」、自己の最善を他者に尽くすことを繰り返すと、「天恵」、運の強さを与えられるとすれば、天とわれわれは何らかのつながりがあると思います。

(参考:「致知」2024 年12 月号) 

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