No.752 アニマルスピリッツを再び 

 

1.「はたらけど猶(なお)わが生活(くらし)楽にならざる」と、石川啄木は嘆いた。日本は、この「窮乏化成長」の道を歩んできた。日本が窮乏化成長から脱するには、①労働生産性をさらに高める②円安を防ぐ③エネルギー自給率を高める④社会保障費の負担を軽減する、のいずれかが必要だ。日本が「働いた分、豊かになれる国」になるためのカギを日本企業が握る。 

2.設備投資により労働生産性がさらに向上すれば、従業員の賃金を上げることができる。賃金が上がれば消費が拡大する。企業はさらに投資機会が見込める。投資と消費が拡大すれば資金需要が増え金利が上がる。米国との金利差が縮小すれば為替は円高に振れる。 

3.だが、日本企業はバブル崩壊後、投資に消極的だった。一橋大学の伊丹敬之名誉教授は、過剰な株主重視が原因と見る。「21年度には史上初めて、配当が設備投資額を上回った。これは異常事態だ」。今こそ、日本企業が日本市場への投資に対する積極性を取り戻す時である。「アニマルスピリッツ」だ。 

(参考:「日経ビジネス」2024 年12 月30 日・2025 年1 月6 日号) 

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