
1, ミスミグループは1963年に部品の専門商社として設立後、時代ごとにビジネスモデルを進化させてきた。躍進の裏側には、やはり成長へのこだわりが根底にあると思う。当社は商品の性能や技術では勝負しない。創業時から一貫して、ビジネスモデルこそが心臓部だ。進化を止めれば、顧客に価値を提供できなくなる。現状に危機感を持ち、変革を望む意志が強い。だからイノベーションを起こせる。
2, イノベーションを起こせる人材育成方法は、座学と実践の組み合わせによるところが大きい。前者では経営層が講師となり、社員に戦略を伝授。私も社内フォーラムで2ヶ月に一度ほど、中堅の管理職以上300人~400人を対象に話す。後者では各組織の長に毎年、ビジネスプランを書かせる。数回の審議を経て承認されれば、予算を付与。その枠内で実行権限を委譲し、自分の裁量で運営してもらう。
3.さらに人事異動は全社員、自分で手を挙げ、部署や仕事を決めてもらう。自ら選んだのだから逃げられない。そこで挑戦心が芽生えれば、上司は背中を押す。社内政治は徹底的に否定しており、ロジカルに物事が決まる社風だ。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年3 月15 日号)