No.803 AI時代に必要な「組織再設計能力」    柳川範之(東京大学大学院教授) 

 

1. 生成AI(人工知能)の進展が著しい。現状でいえば、1人の人間の仕事を完全に代替するのは難しいにしても、その人の仕事の何割かを肩代わりしてくれる。あるいは同じ時間で何人分もの仕事ができるようになるという形で、人間の仕事を補完する役割が期待されている。 

2. したがって、生成AIの機能を組織内で十分に生かし、生産性を高める形で導入しようとするならば、組織の再設計・再編が必要となる。そして、それは簡単にできることではないため、組織再設計能力を持った人材をしっかり育成していく必要がある。 

3.組織再設計能力を発揮するためにまず必要なのは、現状の組織内で、各人がどのような役割を担い、どのような責任を持っているのかを正確に把握できることである。現状がどうなっているのかがわからなければ、変化させる方向性も決まらないからだ。そのうえで、AIが担うことができるのはどの部分かを把握・分析する能力、さらには縦割りの構造を変えて、横割りで組織を考え直す能力も必要になるだろう。

(参考:「週刊東洋経済」2025 年3 月29 日号) 

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