
1.今春から大卒初任給を30万円以上に引き上げる企業が相次いでいる。今、産業界が初任給アップに走る要因の一つは、人手不足で人材獲得競争が激しさを増し続けていること。2つ目の要因は、学生側の意識の変化だ。学生に「初任給の額が求人への応募に影響するか」の質問に、「非常に影響する」の比率が24年卒で24.1%、25年卒は27%、26年卒では32.3%へ急上昇している。その理由は、「近年の物価高や将来への不安」がある。3つ目には、年功序列など従来型の賃金・人事制度を抜本的に見直し、人材確保だけでなく社員の生産性を引き上げる動きがある。
2.26年4月の新入社員(現総合職)から、初任給を4万5000円引き上げて30万円にする三井住友銀行もその一つ。銀行業界は長年、年功序列型賃金の色合いが濃く、同社も同様だった。これを26年1月から抜本的に見直すことで、働きがいや個人のスキルを高め、新卒や中途採用応募者への魅力を増す。
(参考:「日経ビジネス」2025 年3 月17 日号)