
1.トランプ米政権による自動車への追加関税の影響について、対策はいろいろとある。最悪のケースを想定しながら考えている。国内では一定の生産台数を維持するために努力するに尽きる。米国以外の市場で販売台数を伸ばすなどして頑張る。取引先が減産抵抗力を強めるまで、しっかり粘ることが大事だ。
2,もともとマツダが得意とする欧州は今も安定している。北米市場は直近5 年ほどで成長し堅実になっている。これはマツダにとってかつてなかったことだ。商品がよくなっただけでなく、市場自体に地力がついており、当社のビジネスに対して有利に働いている。ただし、これ以上米国に軸足を置くと、何か問題が起きたときにバランスが崩れてしまう。その意味は、販売台数を増やすことにとらわれすぎないということだ。
3.台数ありきでは物事が絶対におかしくなる。米国では年間40 万台を売る力がついた。だからといって来年度に50 万台を目指すかというと、そういうノリではない。大事なのは、お客様に満足していただき、ロイヤリティーを上げてクオリティーの高いビジネスにすることだ。そのほうが絶対に長続きする。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年5 月24 日号)