No.848 AIの可能性と危険性   ユバル・ノア・ハラリ(作家・歴史家・哲学者) 

 

1. 人工知能(AI)の台頭はホモ・サピエンスの衰退、さらには終焉を意味する。人類の本当の競争相手が地球上で初めて現れた。人類は圧倒的に最も知的な種だった。それゆえに、アフリカの片隅にいた取るに足らない類人猿から、地球と生態系の絶対的支配者になれたのだ。そして今、人類にごく近い将来に自分たちと競争できるものをつくり出している。 

2. AIについて知っておくべき最も重要なことは、それが道具ではなく行為主体だということだ。つまり、人間と関係なく判断を下せる。新しいアイデアを生み出せるし、自ら学習・変化できる。印刷機や原子爆弾など、これまでの人類の発明品は全て、人間を強化する道具だった。 

3.人間を必要とするのは、印刷機は自ら本を書くことができず、どの本を印刷するかを決めることもできないからだ。原子爆弾はより強力な爆弾を自ら発明することはできず、攻撃目標を、自ら決めることもできない。AIを搭載した兵器は自ら攻撃目標を決め、次世代の兵器を自ら設計することもできる。 

(参考:「週刊ダイヤモンド」2025 年7 月19 日・26 日号) 

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