No.852 スペインのような国に 

 

1.今や日本経済の大部分を構成しているのは非製造業である。実は輸出の動向よりも、インバウンド消費のほうが重要であるかもしれないのだ。少子・高齢化が続くこの国において、ものづくりは徐々に競争力を失っていくだろう。そうでなくても最近は、「日本人は働かない」という新たな国際的評価が定着しつつある。働き方改革やコンプライアンス重視によって昭和の働き方はもはや通用しない。それを受け入れたうえで、この国は何を食いぶちとして生き残っていくかである。 

2.この国に残る最後の強みとは、つまるところ「グルメとコンテンツ産業」なのではないか。わかりやすく言えば、イタリアやスペインのような、観光産業に依存する国になっていくのであろう。幸いなことに、この国の若者がカリスマシェフや人気漫画家を目指すハードルは低い。どんな場末の不便な店でも、うまいラーメンを出せば客は来る。面白いコンテンツにはファンがつく。いずれも学歴などは不問とされ、腕のいい職人はインテリよりも評価される土壌がある。 

3,この国の比較優位は、目利きのお客たちにある。彼らが「推し」をつくって格付けし、情報発信してくれる。 

(参考:「週刊東洋経済」2025 年6 月7 日号) 

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