
1, 米トランプ大統領がもたらした混乱を追い風にしようとする業界もある。代表格はエネルギーに物流、そして金融だ。変化はチャンスを生む。6 月12 日、日本火力発電最大手のJERA は2030 年頃をめどに米国から年間最大550 万トンもの液化天然ガス(LNG)を調達すると発表した。天然ガスは貿易赤字の解消を狙うトランプ政権にとり重要な戦略物資の一つである。輸出拡大を渇望するトランプ氏に食い込んだのがJERA だ。
2, 関税ショックを受けて、中国から東南アジアへ生産拠点を移す動きが進む。同じ米国への輸出でも、出発地点を変えることでコストを抑える狙いだ。物流企業にとって、新たな顧客を捉える商機となる。さらに米国以外でモノの動きが活発化すれば、引き合いも増える。
3, 三菱UFJFG は4 月の時点で、「実質GDP 成長率は米国で2%近くに落ち込み、日本も輸出や設備投資の減速で0.3%程度の下押し圧力が発生する。為替は27 年3 月に1 ドル130 円台半ばまで円高が進んでいる」とのシナリオを描く。マクロな環境は楽観できないが、それでも業績予想は強気を貫く。
(参考:「日経ビジネス」2025 年7 月21 日号)