
1.ガバナンスが利いていない会社には物言う株主が群がる。物言う株主にとって、日本は最もおいしいマーケットだといわれている。外野から何か物を言われないと決断できないのでは、その企業の取締役会はいったい何をしているのか、ということだ。
2.そもそも外野からの声には、いいかげんなものが多い。物言う株主の提案の多くは、余剰資金の分配や事業の選択と集中を行え、というものだが、これは間違っている。米GE(ゼネラル・エレクトリック)のジャック・ウェルチ氏の言もあり、そう考える経営者が多かったようだが、私は企業とはつねに先行投資、健全な赤字部門を持つべきだと考えていた。儲かっているものだけに集中してしまえば、その会社の成長はいつか止まってしまう。
3,多くの日本企業には改善文化が染み付いているが、どんなにエンジン自動車を改善しても、優れた電気自動車を急に造れるものではない。今儲かっているもの以外の領域で非連続の事業を生みだしていくことが重要だ。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年7 月26 日号)