
1.優れた発明は社会をガラリと変える。その具現化を支えるのが、日本の電子部品業界だ。多くのメーカーが世界シェア1位の製品を有し、総生産額は世界の30%超を占める。かつて隆盛を誇ったAV機器が同約18%、半導体は同約7%と凋落した一方で、今なお競争力を維持している。
2.その理由は、「ニッチであるかを問い続けてきた企業が多いからだ」と分析する。ニッチといえば他社が注目しない「隙間」と思われがちだが、そうではない。「伸びている電子部品各社は、成長市場に牽引されただけではない。勝てる領域を探し、自社の製品が消えたら顧客も困るという『代替困難性』を追求してきた」からだ。ラジオに始まり、テレビや携帯電話、EV(電気自動車)、生成AI(人工知能)。常に未来を見据えて技術を磨き込み、革新的なアイデアが現れるたび、形にするための手段をもたらした。
(参考:「週刊東洋経済」2025 年7 月19 日号)