No.875 後継人材は苦労した失敗体験を持つ人    工藤幸四郎(旭化成社長) 

 

 

1. M&Aを積極的にやってきましたが、全て成功したわけではありません。成功に共通するのは、事業をそもそも経営していた社長や経営陣が会社を愛してやまず、われわれが買収した後も経営を続けているケースです。逆に会社の売却が目的で、買収後に経営者が辞めて日本から経営者を送り込まないといけないパターンは大体失敗しています。 

2. 後継人材に求める資質は、現場を知っている人です。企画だけをやっていると理屈は分かるけど肌感覚で言葉では言えないものが分からない。必死になって物を売りまくるとか、工場でトラブルに見舞われるといった現場感覚がないと難しいと思います。 

3. 会社は利益を上げた人が出世しますが、われわれはコングロマリットですから、どうポートフォリオを変えていくかも重要で、苦労した失敗体験を持っていないと難しいです。もうかるところばかりやってきた人ではポートフォリオの変革はできないと思います。

(参考:「週刊ダイヤモンド」2025 年9 月6 日) 

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