
1.日本企業の採用力の低さは、もはや国難とも呼べる深刻なレベルにある。「劇的な違いを生む人材を『日常的に』探し、見つけたら必死に口説いて仲間に引き込む。そして魅力的な報酬とともに、この世界を変えられる仕事を用意して囲い込む」。これが採用革命の実相である。従来の日本企業の採用は、どちらかといえば「待ち」の姿勢だった。不足する人員の穴埋めを目的に、集まってきた人材を面接などでふるいにかけてきた。世界標準の採用が求めるのは正反対の動きだ。能動的に、狩りをするように獲得に動く。
2.GAFAを筆頭とする米テック大手にスタートアップ。優秀な人材の獲得に執念を燃やすプレーヤーの草刈り場になってきたのが、日本を代表する大手企業だった。貴重な人材を奪われ続ける企業に未来はない。挽回するには、自らも採用革命に乗りだし、人材獲得の在り方を一新するしかない。NECと日立製作所はTA(タレントアクイジョン)の専門部隊を発足させ、攻めのキャリア採用に挑んでいる。
(参考:「日経ビジネス」2025 年9 月8 日号)