- 2022年3月25日
耳より情報2022年3月 No.185
事業経営に必須の条件(渋沢栄一) 井上潤(渋沢資料館館長) 渋沢栄一が晩年に語った「事業経営に必須の条件」は次の四つの内容です。1.事業を営む、立ち上げる際は、自分の力だけで進むのは困難であって、必ず周囲の事情を察知し、よくこれに適応するようにしなければならない。特に経済界の中心を担う者は、周囲の関連する諸種の事態、経済全体を見渡すことが必要である。2.事業経営においてはすべて無駄のないよう、二重 […]
事業経営に必須の条件(渋沢栄一) 井上潤(渋沢資料館館長) 渋沢栄一が晩年に語った「事業経営に必須の条件」は次の四つの内容です。1.事業を営む、立ち上げる際は、自分の力だけで進むのは困難であって、必ず周囲の事情を察知し、よくこれに適応するようにしなければならない。特に経済界の中心を担う者は、周囲の関連する諸種の事態、経済全体を見渡すことが必要である。2.事業経営においてはすべて無駄のないよう、二重 […]
事業の成否は各人の双肩(そうけん)にある (解説)次にわれわれは奨励会の事業を選択して置く必要がある。奨励はその声ばかりでも利益は少ないが、せっかく会組織にしたのであるから、ぜひ目的を貫徹する為に実際の事業に着手し、範を天下に示すべきである。しかして事業の成否は一つにかかって各人の双肩にあるのだから、お互いにこの会の発展と利用とに力を注がねばならぬ。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
作業ではなく仕事を 高岡浩三(元ネスレ日本社長) 1.日本の経済人には何が必要か。特に若い人たちには、世の中の変化を読み取る力を付けてもらいたい。そのために必要なのは、やっぱり考えること。特にホワイトカラーは、考える時間をものすごく持つことが大事です。日々の業務に忙殺されている人たちも多いと思いますが、それでいいのかということです。2.僕はネスレ日本時代、社員に「仕事と作業は分けてくれ。そして、仕 […]
CEOが社外取締役の力をいかに引き出すか 藤田勉(一橋大学大学院経営管理研究科特任教授) 1.米国では、経営者のスカウトが活発であり、大企業の最高経営者(CEO)や経営会議メンバーは経営のプロである。日本では、社外取締役を多くそろえても、低成長かつ不祥事が頻発(ひんぱつ)する会社が少なくない。一方、同じく社外取締役が多いソニーグループ、日立製作所は成長し、株価は大きく上昇した。これらの違いは何であ […]
コロナ後の新資本主義「命の経済」に転換を ジャック・アタリ(経済学者・思想家・作家・「欧州最高の知性」と称されるフランスの知識人) 1.今回の新型コロナ禍による混乱の克服でカギを握るのは「命の経済」という概念だ。「命の経済」とは組織構造、消費、生産の形態を根本的に見直し、生活に必要不可欠だと判明した部門へと経済を導くことを指す。例えば命の経済では、医療や教育、インフラ、再生可能エネルギー、エコ住宅 […]
適する物を作り適さない物は仕入れる (解説)一県にして佐渡からは金を産し、越後からは米を産する。一国にすれば、台湾から砂糖が出るし、関東地方からは生糸が出る。更に国際間に拡大して見とる、アメリカの小麦、インドの綿花のごとく、それぞれの地勢によってその産物を異にするのである。この点は特に注意して、我国に適する物を作り、適さない物を仕入れるのである。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会
大規模リストラに着手(ホンダ、パナソニック) 1.21年4月、ホンダは中高年社員を対象に早期退職制度をスタートさせた。割増退職金を含めると8000万円ほどになるためか、応募者数は2500人に上るという。パナソニックが21年9月末に実施した早期退職制度(割増退職金は上限4000万円)に1000人超もの社員が手を挙げた2.時代は、大変革のときである。脱炭素とDXの潮流の中、世界の主要企業がゲームチェン […]
コロナ禍で激変の富裕層 1.渋谷や六本木など都心のタワーマンションが飛ぶように売れている。また、テレワークの普及もあって、高級別荘を購入して移住する人も増えている。人気の別荘地である長野県軽井沢町では、幼小中一貫校が設立されたことと相まって、転入による人口増加が全国の町村でナンバーワンとなったほどだ。ただ、クルーザーやプライベートジェットといった「ザ・富裕層」的な商品には興味がない人が多いという。 […]
考え続けることこそが経営である 入山章栄(早稲田大学教授) 1.経営理論を学んだり、フレームワークを勉強したりしても、そこから経営の正解が得られるわけではありません。そもそもこれだけ変化の激しい時代なので「経営には正解がない」というのが私の考えです。それでもリーダーは「意志決定」する必要があるため、考え続けなければならない。つまり、考え続けることこそが経営であり、私の知る優れた経営者はそのことをよ […]
数千年前からの大原則 (解説)この国産奨励の宣伝とも極端な消極主義、排外主義と取られては、独り発起人等の迷惑なるのみならず、ひいては国家の大損失を招く恐れがある。有無相通ずとは数千年前から道破された経済上の原則で、この大原則に反して経済の発展は企図せられるはずがない。 (参考:渋沢栄一「論語と算盤」):国書刊行会