このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
「情より理」で経済合理性に基づいて経営を行う 川村隆(日立製作所名誉会長)
1.日立が2009年3月期に7873億円の最終赤字を出した時は、ものすごくしんどかった。当時は「遠ざける事業」と「近づける事業」と表現を変えたりしていましたが、要するに、この事業はもうダメだなと決めたら畳たたむということをやりました。国内の他のメーカーも見ていて、切るべきものを切れない企業はダメになるというのは分かっていました。2.「情より理」で、合理性に基づいた判断によって人や物や金を移し替えるというのが経営者の基本。その仕事をさぼってきたことが停滞につながったと思います。やはり日本の企業は、この先世界的な競争力を持てなくなる事業を落として、そこにある人・物・金・情報などの資源を、これから伸びていくところに動かすという基本行動をちゃんとやることです。
(参考:「日経ビジネス」2021年3月15日号)