耳より情報 2022年2月 No.157

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

日本の電池は崖っぷちだが、25年以降を見据えよ 吉野彰(旭化成名誉フェロー、19年ノーベル化学賞受賞)

1.EV(電気自動車)化の大きな流れは間違いなく来ている。これまでEV大国は中国だったが、今はEU(欧州連合)が追い抜き、世界をリードしている。米国もバイデン政権に替わり、EV化に突き進んでいる。一方、日本の自動車業界はEV化慎重で、完全にガラパゴス状態だ。かつてはエコカーというとプリウスに象徴される日本のHV(ハイブリッド車)だったが、役目は十分に果たした。ここにしがみついていても仕方がない。このままでは、日本の車は海外に輸出できなくなってしまう。
2.国内の車載電池市場が小さいものだから、日本の電池メーカーは崖っぷちだ。海外の自動車メーカーに頼ることでかろうじて健闘している。本当の勝負どころは2025年からだ。欧州の自動車メーカーが中韓の電池メーカーから電池を調達しているのは、25年までを見据えた動き。日本の電池は崖っぷちだが、中韓勢が今、何千億円もの投資をしたからといって焦る必要はない。25年以降にどう動いていけるかが1番のポイントだ。
3.25年以降、走り回っている車は今売られているEVではないだろう。自動運転やシェアリングなど新しい技術と融合したEVに変わっていく。ここでどんな特性を持つ電池が必要とされるか、という目で先を見るべきだ。

(参考:「週刊東洋経済」2021年11月27日号)

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