このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
昭和的な加工貿易立国モデルと決別を 冨山和彦(経営共創基盤グループ会長)
1.日本は2連敗中です。「グローバル革命」と「デジタル革命」という2つの不連続な変化に対して、今のところ負け組みです。違うタイプの不連続な大変化(脱炭素)が起きてくれたのは、巻き返すチャンスが到来したということです。環境やエネルギーの技術が発達した日本には比較優位があります。ただし、昭和的な大量生産を前提として加工貿易立国モデルにしがみついたら、3連敗の大負けになります。エネルギー消費型の産業形態になりますし、何よりもうからない。このままでは日本の平均年収4万ドルの賃金水準は維持できません。
2.規模を追うのではなく、事業の収益性に軸足を置いて、潤沢(じゅんたく)な利益を使って技術を磨き、投資をしていくというモデルに転換する。欧州企業に多いですが、日本では京都には結構そういう企業があります。
(参考:「日経ビジネス」2022年1月10日号)