このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
日本は抜本的に総合工事が必要 大前 研一(経営コンサルタント)
1.イーロン・マスク(テスラ創業者)まで「日本は消滅する」と言い始めているが、日本にとって人口減は国家存亡の危機といえる。2030 年以降、15~64 歳の生産年齢人口は急激に減少する。若い人、働く人が減ると、労働供給や市場が縮小するばかりでなく、消防や警察、自衛隊にも人が集まらなくなる。そうしたらいずれ 国を乗っ取られるだろう。日本には 2000 兆円もの個人金融資産があって、よその国がこの国を奪ったらそれはリッチになる。
2.今の日本のクレイジーな日本の予算から見ると、子どもの育成にもっと金を使っていい。「骨太の方針」では「人への投資」として4000 億円をポンと大学などに配るが、ビジネス感覚のない大学が新規事業を生み出せるの、と。それなら子どもを増やすために配ったほうがよっぽど確実に効き目がある。日本は抜本的に制度や因習、考え方を改めないといけない。総合工事が必要だ。 3.現在、米国では「PaPa(パパ)」というサービスがはやっている。登録している大学生が高齢者の自宅に派遣され、話し相手になったり、車の運転や電球の交換をしたりする。その代わり安く部屋に住めるし、報酬ももらえる。これは面白い。
(参考:「週刊東洋経済」2022 年 7 月 23 日)