耳より情報2022年10月 No.289

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

社員も技術も輝く「人間ひろば経営」(その 2、工業製品の宮大工) 矢崎 昭三郎(関ヶ原製作所相談役)

1.私の父が、鉄道の軌道用機器を皮切りに創業したのが 1946 年。しかし、70年代のオイルショックで経営危機に直面し、3 期連続で赤字に陥り人員整理に追い込まれました。責任を取って退任した父の後を38 歳で継いだ私も、80年代の円高不況で赤字に陥り苦しみました。

2.壁に突き当たり改めて社員たちの思いを聞きました。「給料が上がらないなら、せめて明るく楽しい会社にしてほしい」という声が心に刺さりました。私は創業の精神に立ち返り、社員も技術も輝く全員主役の「人間ひろば経営」を打ち出しました。生きがいややりがいで自己実現するためには、社会から必要とされている使命感を抱き、独自技術を磨いて匠の技で勝負するしかない。「工業製品の宮大工」を目指そうと旗を振りま した。

3.28 年社長を務めて退任した後、顧客のコマツや金融機関などから社長を迎え、4 年前に私のおいの矢崎英明が社長に就任しました。この間、取引先などに1人で出向する武者修行制度、技能伝承を図る「匠道場」の建設、社員が中心となってまとめた創業と理念の「セキガハラウェイ」、13 万㎡の自社敷地内には美術館も設けました。ここまで人間重視経営も珍しいと見学者も多く見えます。

(参考:「日経ビジネス」2022 年 8 月 8 日号)

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