耳より情報2022年11月 No.305

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

無限の経済成長の追求への批判にどう対応するか(その2) フィリップ・コトラー (米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院名誉教授・マーケティングの大家として知られる)

1.地球を温暖化から守るために、進んで生産と消費の速度を落とす企業があるかといえば、恐らくないだろう。ほとんどの企業は高い利益を追求している。必要な資金を得るには投資家を満足させるだけの利益が求められるし、働いている人に仕事とお金を提供したりするためにも、企業は利益が必要なのだ。

2.しかし、消費者の中には、消費を減速させる運動に参加する人がいるかもしれない。こうした消費者は、「モア・イズ・ベター(多いほどいい)」というマントラ(呪文)を否定するだろう。人々は必要以上の服を買い、必要以上の食べ物を食べ、多くの人が必要以上の住居を持っているが、消費者の中には、「レス・イズ・モア (余計なものはないほうがいい、少ない方が豊かである)」と強く考え、より少ないモノを買うことで、この「資本主義の陰謀(いんぼう)から逃れようとする人もいる。 3.こうした消費者は自動車を買い替えずに長く所有し、服を長く着る人がいるかもしれない。食べる量を減らし、ダイエットや運動をするようになるかもしれない。「レス・イズ・モア」という新しい意識を持つ人に成長するかもしれない。

(参考:「日経ビジネス」2022 年 8 月 29 日号)

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