このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
「満つれば欠ける」(自然の道理) 「2008 年 11 月 10 日談」 稲盛 和夫(京セラ会長)
1.現在の金融危機は人間に対して、自然が、あるいは神が、猛烈(もうれつ)な反省を求めているのだと思います。「もっと豊かになりたい」「もっと便利な世の中にしたい」という人間の欲望が科学技術の発展を促し、近代の文明社会を築き上げました。しかし、そんなに欲張ってばかりではどうなるか。「満つれば欠ける」というのが、やはり自然の道理です。 欲望が膨れ上がって満つれば、欠けるのは当然。 それを見せつけたのが今回の危機だと思います。
2.今こそ人間は「足るを知る」という謙虚さを学ばなければなりません。企業経営者は、常に謙虚な姿勢をもって経営に当たるべきです。現在の社会現象は、そういうことを教えてくれているのだと思います。
(参考:「日経ビジネス」2022 年 9 月 12 日号)