耳より情報2022年8月 No.253

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

円安は賃金低下と認識すべき 玉木 林太郎(国際金融情報センター理事長、元財務官)

1.リーマンショック後に1 ドル=100 円を切り、大騒ぎになりました。輸出側の大企業には、円高は望ましくないでしょう。しかし資源などを輸入する会社にとって、円高は望ましいことです。それなのに、「円高は日本の輸出を妨げ国難である」と多くの人々が疑いもなく考えていることは不思議です。円高は輸出に不利なのは確かです。ですが、そのことは日本経済にとって圧倒的にマイナスだという主張は本当でしょうか。 2.日本は長期間デフレが続き、他国は多かれ少なかれインフレです。だから今、海外に行くと円の購買力が落ちたなと感じます。大企業や中小企業に限らず、円で給与をもらい、円資産を貯蓄する一般人も、円安が長く続くことは、自分の賃金や資産購買力が低下しているという認識をすべきでしょう。 3.日本の経済構造が老化し、国内に投資機会がなく、海外に資金が流出してしまう経済構造になっています。 それを防ぐ構造改革が進んでいません。人口減少や脱炭素という難しい問題が日本にのしかかっているのに、真剣に向き合っていない。今取り組むべきは、来週の為替がどうなるかではありません。経済的な負け組が出るかもしれないけれど、構造改革を進める。それに真剣に取り組まないと、日本経済の凋落は止まりませ ん。   

(参考:「週刊ダイヤモンド」2022 年 5 月 21 日号)

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