No.1011 中堅企業が日本経済の主役    冨山和彦(日本共創プラットフォーム代表取締役会⾧) 

 

1. AI が身近な存在になったことで、これまで大企業しか持てなかった競争力を今や誰でも使えるようになった。 レガシー(古いシステム)を抱えない身軽な中堅・中小企業のほうが一気にAI を導入でき、競争条件は有利になる。環境変化の中、中堅企業が日本経済の主役を担う局面に入っている。 

2.「規模の経済性」が利く産業は、自動車や半導体などごく一部に限られる。多くの場合、一定規模を超えると組織が硬直化し、意思決定は遅れ、収益性が落ちやすい。重要なのは規模ではなく付加価値だ。自社がどの分野で独自性を発揮できるかを見極め、模倣困難な技術や顧客に深く入り込んだサービスで、代替不能な価値を提供することが求められる。 

3.ニッチな市場でも構わない。その領域でチョークポイント(要衝)を握れば、価格決定力を持ち、高い付加価値を安定的に生み出せる。小さくても強い企業のほうが長く勝ち続ける。AI が管理業務を代替することで、付加価値を生まないような中間管理者が不要になる。経営と現場の距離が縮まって組織はよりシンプルになる。少人数で高い付加価値を実現する経営に転換できるかが成長と衰退の分岐点となる。 

(参考:「週刊東洋経済」2026 年5 月2 日・9 日号) 

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