耳より情報2023年1月 No.337

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

熊本の賃金相場を動かしたTSMC 山川 龍雄(「日経ニュースプラス 9」キャスター)

1.大卒初任給が28 万円、中途社員の年収が 800万~1200万円。台湾積体電路製造(TSMC)の進出が熊本県の賃金相場を上昇させている。日本が目指す「良いインフレ」のモデルだ。地元の肥後銀行には、1000件以上の融資相談を含む問い合わせが寄せられているという。教育現場も動き出した。熊本大学は 24 年度、半導体人材を育成する学部を新設する。九州にある複数の高等専門学校は半導体関連の授業を拡充した。

2.移動棚の大手・金剛(熊本市)では、複数の社員が半導体関連の企業に転職した。直接TSMCに転職したわけではないが、周辺の大手半導体関連企業の従業員がTSMCの引き抜きに遭い、開いた穴を埋めるために、多くの企業が好条件で人材を募集しているという。同社の田中稔彦社長は、「世界で競争するTSMCは、当たり前の給与水準を提示している。熊本の経営者がこれまで低い賃金で済む環境に甘えていたのかもしれない」と語る。

3.もちろん賃金上昇に耐えられず、淘汰される企業も出てくるだろう。だが一方で、変化に対応した企業は成長の果実を得る。熊本を中心に半径 1500Kmの円を描くと、東京、台北、ソウル、上海などが入る。今後、熊本は国際的な半導体サプライチェーンの軸として、いや否なく「世界標準の経営」を突き付けられる。

(参考:「日経ビジネス」2022 年 10 月 31 日号)

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