耳より情報2023年1月 No.342

このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。

日本で少子化が進む「根源的理由」

1.日本の2021 年の出生数は 81 万人で、統計開始以降最小となった。合計特殊出生率は近年では 1.3 前後を推移し、少子化が加速している。少子化の主要である未婚者の増加には「価値観が多様化し、恋愛や結婚に価値を置かない人が増えた」との指摘がある。だが、婚姻・交際には、収入や学歴、雇用形態といった社会経済的要因が大きく関係してくる。 2.少子化を「個人の価値観の問題」とすれば、若者世代の貧困や不安定な雇用という根源的な理由を見落とす。安定した雇用と十分な収入が保証され、誰もが望むタイミングで望む数の子どもを持てるよう、若者世代への早急な支援が必要だ。近年増え続ける未婚者やシングルの多くは、低収入かつ非正規雇用など不安定な就労形態の人々なのである。

(参考:「週刊東洋経済」2022 年 10 月 22 日号)

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