このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
超一流のものと底辺のものを経験する 數土 文夫(JFEホールディングス名誉顧問)
1.健全に発展していく社会をつくるには、アートでも学問でも人格でも一流、超一流の人物に接すると同
時に最低辺の状況に置かれた人たちを見る。その両方を疑似体験しないことには、一人前の人間になかなかなれないと最近つくづく痛感しているんです。それに加えてイエスやブッダなど宗教的な文献や歴史書を学ぶことも忘れてはいけません。特に歴史書には人間がなしてきた最高と最悪の状況が記されていますから、リーダーとなる人には必ず読んでいただきたいと思います。
2.近代日本の発展に貢献した福澤諭吉、内村鑑三(かんぞう)、新渡戸(にとべ)稲造(いなぞう)は、幼少期は極貧の生活を経験しています。大成する人物は、超一流のものと底辺のものを実体験、あるいは擬似体験していることがこの三人の生き方からも分かるのではないでしょうか。
(参考:「致知」2023 年3 月号)