このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
日野で不正が次々と発覚 トヨタの対応に注目
1.トラック業界をけん引する日野自動車に激震が走った。エンジンの排出ガスや燃費に関する認証申請に
おいて、約20 年にわたる広範囲の不正が判明し、一部の車種が出荷停止となったのだ。長年の不正を見過ごしてきた日野の組織体質について、自動車産業を所管する国土交通省の職員は「これだけ大規模な不正をしてきた日野が変わるのは容易ではない」と日野の置かれた状況の厳しさを指摘する。
2.一方、親会社であるトヨタ自動車は、現在の小木曽聡社長まで20 年余りに、6 政権で延べ61 人ものトヨタ出身者が日野の役員に就任しているのだ。日野の現役社員からは「不正の一因はトヨタにある」との憤りの声が上がる。数多くの重役を送り込む形で日野を間接支配してきたトヨタも、組織改革の敢行を子会社の日野任せにするのではなく、監督責任を負う親会社としての対応が迫られている。
(参考:「週刊ダイヤモンド」2023 年1 月7 日・14 日号)