このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
企業成長させるビジネスモデル 井上達彦（早稲田大学商学学術院教授）
１．第一線で活躍している機関投資家によれば、日本企業はものづくりの意識は高くても、ビジネスモデルへの意識が十分でないという。キーワードはビジネスモデルにあるのかもしれない。ビジネスモデルづくりが上手で投資家から期待される企業は、ビジネスモデルの組み合わせ、すなわちビジネスモデルのポートフォリオが上手である。優れたポートフォリオには「リユース型」と「リサイクル型」の2 つがある。
２．一般に、リユースとは再利用のことを指す。一度使ったものを廃棄しないで何度も使うことだ。もともとの構造や形状を維持したまま、何度も異なる市場に使い回すということを意味する。リサイクルとは、廃棄物から資源を取り出して利用すること。ビジネスモデルで言えば、そこで使われた経営資源を要素レベルで、もう一度組み直すことになる。要素を融合させるという意味で「融業」と言い表せそうだ。
（参考：「週刊東洋経済」2023 年2 月4 日号）