このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
無理せず、闇雲に規模を追わない 横山 清(アークス社長)
1.食品スーパーに携わるようになって60 数年。北海道から東北、北関東で地域密着の店舗展開を進め、売上高は5700億円を超えました。「どういう会社が生き残ったのだと思いますか」と尋ねられることがあります。やはり地域の特性をしっかり捉えることではないでしょうか。
2.振り返ると、この業界には天才的だと思える経営者が何人もいました。行動の派手な経営者は目立ちますからその分、成長スピードが速いと思われがちです。しかし、こうした会社は結局、今となってはほとんど残っていません。では、どんな食品スーパーが残っているかと考えると、それはやはり地域の特性を捉えながら忍耐強く取り組んできたところだと実感しています。
3.会社が小さかった頃、大手の傘下に入ろうかと迷ったことが何回かあります。最終的に加わらなかったのは「本部からの指示でそれまでの良さがなくなり、すべてを失う」と思ったからです。その代わり、成長とともに各地の有力スーパーが仲間入りするようになりました。私は「八ケ岳連峰経営」を掲げています。これは、新たに加わった食品スーパーはそれまでの屋号、売り場づくりを続けています。闇雲(やみくも)
に規模を追うのではなく、各地の勝ち組、つまり生き残れる基礎を持つ仲間と手を組みます。
(参考:「日経ビジネス」2023 年2 月27 日号)