このコーナーは、代表理事・牧原が読んだ本や拝聴した講演会などから、印象に残ったものをピックアップしてお届けします。古今東西の耳より情報をどうぞ受け取ってください。
古典に学ぶ 真理とアニマルスピリットを呼び起こせ 川村 隆(日立製作所名誉会長)は何か
1.蒸気機関の発明に端を発した第1 次産業革命は、200 年ほどかけて肉体労働を機械に置き換えてきました。 そして今、それ以来の大きな変化を迎えています。頭脳を機械が代替する「頭脳革命」です。インターネットが広がった1990 年代に始まり人工知能(AI)で加速する頭脳革命は、長ければ100 年かけて社会を変えていくでしょう。そこに新たなチャンスが生まれるはずです。
2.忘れてならないのは、資本主義というのは「額に汗してどんどん働け」という仕組みだということです。孔子の論語に「忠恕(ちゅうじょ)」という言葉があります。「忠」は覚悟を決めてひたすら頑張るという意味で、「恕」は思いやりの意味を持つとされます。ただ、日本だと「恕」ばかりが重視されるようになってしまった。「人に迷惑をかけないようにしなさい」といわれた日本人と、「絶対に勝ちなさい」と言われて育った海外の人が、資本主義という同じ土俵で闘(たたか)うことになるのです。
3.悲観する必要はありません。大谷翔平選手のように、決意した日本人はやれるということです。海外に留学したり、新興国の人と交わったりしながら、「勝ちたい」というアニマルスピリットを呼び起こしてほしいです。
(参考:「日経ビジネス」2023 年6 月26 日号)